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導入事例

運送業 (一般貨物/一般区域貨物)

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Interview #08
デジタル点呼マネージャー

求めたのは
リスク管理精度の向上

■3拠点で「IT点呼」を実施

■点呼のデジタル化により、不正リスクを低減。

■車両や従業員の情報管理も点呼システム内で対応。

運用開始は2023年3月

創業60余年の信頼と実績を誇り、横浜を拠点・中継地として、関東一円およびその周辺地域への輸送を手がける天野運送様。
同社では、2トンから14トンまでのトラックを27台保有し、それらの車両を運転するドライバーの点呼管理に「デジタル点呼マネージャー」をご活用いただいています。
今回は、導入をご担当された瀧田様にお話を伺いました。
(取材時期 : 2025年3月)

Q:天野運送様の事業や運行における特徴について教えてください。

適切な案件割振りで、
ドライバーの負荷を平準化するよう意識しています。

私たち天野運送は、輸出入貨物の輸送を主力とする運送会社です。神奈川県内に3つの拠点を構え、神奈川をはじめ、東京・埼玉・千葉・茨城など、関東甲信越エリアでの輸送を中心に事業を展開しています。
ドライバーは約25名在籍しており、トラックは予備車両を含めて27台を保有。配車係が各案件を的確に割り振ることで、ドライバーにかかる負荷の偏りや不公平が生じないよう配慮しています。
近年では、ドライバーの働き方に対する価値観も変化してきていると感じます。かつては時間外勤務で収入を増やすことを重視する傾向がありましたが、現在はプライベートの時間を大切にしたいというドライバーが増えています。
中には、早朝から乗務を開始し、早ければ正午前に業務を終え、その後は自由時間を過ごすというスタイルの人も多く見られます。
 

Q:導入前にはどのような課題がありましたか?

「不正に繋がるリスク」を少しでも排除したいと考えていました。

「デジタル点呼マネージャー」導入以前は、「対面点呼+紙による記録管理」を行っていました。点呼自体はしっかりと実施していたものの、アナログ管理ゆえの課題も感じていたのが実情です。
当時感じていた主な課題は、「不正に繋がるリスクの存在」「管理業務の負担の大きさ」「アルコール検知器の精度への不安」などです。
特に紙での管理については、データの信ぴょう性に不安があり、不正に繋がるリスクがあると感じていました。そのため、証拠が確実にデータとして残る体制を整えたいと考えるようになりました。
もちろん、システムを導入すればリスクが100%なくなるわけではありません。しかし、80%、90%と着実にリスクを低減し、100%に近づけていくことが重要だと考えています。
また、管理業務の負荷軽減も大きな課題でした。各拠点の点呼記録は紙で保管され、月に一度FAXで本社に送付された後、手作業で集計していたため、非効率な作業が発生していました。
本来、運行管理者の役割は「正しく管理を行うこと」であり、集計作業に追われることではありません。運行管理者が本来の業務に注力できるようにするためにも、ITの力を取り入れる必要がありました。
こうした背景から、私たちはアナログ管理によるリスクから脱却し、「IT点呼」による効率的な点呼管理の実現を目指しました。

 

casestudy_053.jpg新山下事業所
瀧田 オーガスチン 隆之 様

Q:導入までの経緯を教えてください。

無駄なく、求めている機能が揃っていると感じました。

車は本来、危険を伴うものであり、中でもトラックは特に高いリスクを持つ乗り物です。その安全運行を確実に管理する第一歩が「点呼」だと私は考えています。だからこそ、点呼にはしっかりと力を入れるべきだと思いましたし、社長も同様の考えを持っていました。
点呼の改善策を探る中で展示会を訪れ、そこで初めて『デジタル点呼マネージャー』を知りました。
導入を検討する際、最も重視していたのは「不正ができない仕組みであること」でした。アルコールチェック時の顔画像と共に、測定データが改ざん出来ない形で記録される。そうした、私たちが求めていた機能がしっかりと備わっていることが、製品デモを見る中でよく理解できました。
また、ドライバーや車両の情報管理機能も実装されており、点呼業務の基本を固めたうえで、さらなる活用が期待できる点にも魅力を感じました。
加えて、画面の見やすさや操作の分かりやすさも大きなポイントでした。機能が多くても使いこなせないものでは意味がありません。その点、『デジタル点呼マネージャー』は非常にシンプルで分かりやすい設計になっており、私自身、直感的に「使いやすそうなシステムだ」と感じました。

Q:実際にデジタル点呼マネージャーを使ってみていかがですか?

機能にもサポートにも満足して使えています。

管理者やドライバーの多くは、PCやスマートフォンの操作にあまり慣れていません。そのため、導入当初は操作に慣れてもらうこと、そして日常的に操作を行うという意識づけが一つのハードルでした。
現場展開にあたっては、もちろんマニュアルを配布しましたが、できる限り現場で横に付き添いながら操作方法をレクチャーするように努めました。ドライバーは早朝からの勤務が多いため、3拠点を巡って指導を行うのはなかなか大変でしたが、それでも日々使うものですので、数週間もすれば皆が慣れ、今では問題なく運用できています。
インフォセンスさんからのサポートにも満足しています。問い合わせをした際には迅速に対応していただけるので、とても助かっています。
機能面に関しては、導入前に受けた印象と導入後に使ってみた印象に大きなギャップはなく、良い意味で予想通りでした。しっかりと法令に則ったシステムであるため、安心して使用できています。
現在は『デジタル点呼マネージャー』を使って、車両情報の管理を細かく行っています。従業員情報の管理についても、今後さらに活用を進めていく予定です。今後もバージョンアップを重ねながら進化していくシステムだと期待しており、その点も大いに楽しみにしています。
 

casestudy_054.jpg点呼用機器一式
(パソコン, アルコールチェッカー, 免許証リーダー) 

Q:「点呼」の重要性についてどのよう考えていますか?

「人や会社を守るために一番大事なツール」が点呼です。

近年のテレビ報道では、点呼やアルコールチェックが適切に実施されていない運送業界の実態が取り上げられることが増えてきました。
トラックは非常に危険な乗り物であり、そのリスクを正しく認識せず、安全確保のために必要な点呼をおろそかにするのは、明らかに怠慢だと思います。
トラックで事故を起こしてしまえば、ドライバー本人の人生だけでなく、相手方の人生、さらには会社やその社員の人生までも大きく狂わせてしまう可能性があります。運行管理者や社長が逮捕されるような事態に発展すれば、まさに“負の連鎖”です。
点呼は、「人や会社を守る一番大事なツール」です。だからこそ、今後もより良い形を模索し、継続的に改善していきたいと考えています。
「デジタル化=安全」とまでは言い切れないかもしれませんが、今回システムを導入したことで、ドライバーや管理者の安全意識が確実に高まったと実感しています。
こうした意識改革を継続することで、天野運送は「遵法精神を持った、なんでもやってくれるプロフェッショナル集団」として、皆さまから信頼される企業になっていければ嬉しく思います。