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導入事例

介護・福祉サービス業

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Interview #09
デジタル点呼マネージャー・スマート

高齢職員でも使いやすい、
安全運転の仕組み作り

■90台超の白ナンバー車両が毎日フル稼働。

■全職員が運転する可能性がある職場環境。

■ITに不慣れな年配職員も多く、操作のしやすさが課題。

運用開始は2025年6月

鹿児島県内で22の福祉施設を運営する社会福祉法人 恵仁会様。
訪問介護や通所サービス、保育園送迎などに使用する90台超の白ナンバー車両を運転する職員のアルコールチェック管理に、「デジタル点呼マネージャー・スマート」をご活用いただいています。
今回は、導入を担当された中村様、圖師ずし様へ、導入の背景や選定ポイントについてお話を伺いました。
(取材時期 : 2025年9月)

Q:恵仁会様の事業や車両運行における特徴について教えてください。

幅広い年齢層の職員が、
無理なく安全運転に取り組める環境を整えています。

私たち恵仁会は、鹿児島県でいち早く設立された社会福祉法人の一つとして、介護・保育・障害福祉など、幅広い世代を支援する事業を展開しています。
現在は22の施設を運営し、法人全体で400名を超える職員が働いています。

法人全体で約90台の車両を保有しており、訪問介護や通所サービス、保育園での送迎など、地域住民の暮らしを支えるために日々活用しています。
運転を担う職員は10代から80代まで幅広く、特に30〜60代が中心です。
介護職員や事務職員など、すべての職員が運転する可能性があるため、誰もが無理なく安全運転に取り組める仕組みづくりが欠かせません。
また、年齢層が高い職員も多いため、システム導入や運用定着にあたっては、操作の分かりやすさや研修方法を工夫し、現場に自然に浸透することを常に意識しています。

22の施設のうち7施設は、安全運転管理者の選任が必要となる事業所です。
しかし私たちは安全を最優先に考え、全施設でアルコールチェックを実施しています。
車両利用については、ほとんどの施設で法人の公用車を使用していますが、雇用形態によっては職員の自家用車を業務で使用するケースもあります。
そうした多様な運行実態に合わせて、安全対策を徹底している点も当法人の特徴です。
 

casestudy_053.jpg統合リスク管理室 室長
中村 朋仁 様

Q:導入前にはどのような課題がありましたか?

紙管理では全体把握が難しく、
法令遵守の確実性にも不安がありました。

導入前は、各拠点でドライバーがアルコールチェックを行い、その結果を紙に記録して管理していました。
各拠点ではドライバーと管理者が対面でしっかりと確認していたため、現場としては従来の運用を変える必要性を強く感じていたわけではありません。
しかし、その記録を第三者が見たときに「本当に正しくチェックできているのか」を証明することは難しく、客観的な証跡としての信頼性に課題が残っていました。そのため、本部側では実態を十分に把握できず、全体像が見えにくい状況が続いていたのです。
紙での運用は、保管や確認作業も煩雑でした。
拠点数が多い当法人では、「記録が正しく保存されているのか」を本部が確認することも容易ではありません。実際には、法令を遵守できているのかが分からないまま、もし何か起きてもタイムリーに対応できないという不安が常にありました。

また、当時は安価な半導体式の吹きかけ型検知器を使用していましたが、アルコール消毒の影響で「飲酒していないのに反応が出る」といった誤検知が頻発していました。
福祉施設の現場では消毒の回数が非常に多く、空気環境に左右されやすい測定方式では、正確な計測が難しかったのです。だからこそ、誰もが漏れなく、安心してアルコールチェックを実施できる仕組みを整える必要があると感じていました。

こうした状況から、現場の努力だけでは法令遵守の確実性や全体把握に限界があると痛感しました。
そこで、客観的な証跡を残しつつ、法人全体を一元的に管理できる仕組みが必要だと考え、システム導入の検討を始めました。

 

casestudy_053.jpg 統合リスク管理室
圖師ずし 一也 様

Q:導入までの経緯や、導入の決め手を教えてください。

費用・操作性・管理のしやすさを重視し、
導入を決断しました。

システム導入の必要性を認識してからは、経営層に対して時間をかけ、丁寧に説明を重ねました。
「安全への投資」という観点を繰り返し伝えたことで、導入の必要性について積極的な理解と合意を得ることができました。

一方、現場では「慣れている紙での管理から変わること」への抵抗感も一部ありました。
しかし、従来の運用で抱えていたリスクを丁寧に説明し、徐々に理解を広げていきました。
製品を選ぶ際には、特に次の3つの軸を重視しました。

1. ライセンス形態
当法人はドライバー数が多いため、1人1ライセンスではコストが膨らみます。
その点、『デジタル点呼マネージャー・スマート』は端末課金型であり、
タブレット端末を拠点に据え置き、共有利用することで費用を大幅に抑えられました。

2. ドライバーにとっての操作の分かりやすさ
年齢層が高い職員も頻繁に利用するため、複雑な操作では現場に定着しません。
そのため、トライアル時には「誰でも迷わず扱えること」を重視しました。

3. 管理者にとっての使いやすさ
ダッシュボードで全体の状況を直感的に把握でき、確認操作までの手数が少ない点を高く評価しました。
また、マスタ管理などの保守作業も分かりやすく、長期的な運用でも負担が少ない点が大きな利点でした。

こうした検討を経て、法令遵守を確実にしつつ、現場の負担を減らし、コスト面でも合理的な選択ができることが、導入の大きな決め手となりました。

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Q:システム導入によって、どのような効果がありましたか?

リアルタイム管理と分かりやすい操作性で、
効果を実感しています。

導入して最も大きな変化は、法令遵守を徹底できるようになったことです。
システムの手順に沿ってアルコールチェックを行うことで、確実に道路交通法に準拠した運用が実現しました。
これまで「本当に法令どおりに対応できているのか」と不安に感じていた部分がクリアになり、大きな安心につながっています。

また、法人全体のアルコールチェック実施状況をどこからでも把握できるようになった点も大きな利点です。
拠点数が多い中で、以前は現場ごとに紙を確認しなければ全体像が見えませんでしたが、現在は本部からリアルタイムに全体を俯瞰できます。

操作性についても評価が高く、職員への説明は非常にスムーズでした。
独自のマニュアルや動画を作成しましたが、一度使えばすぐに理解できるほど分かりやすく、現場への定着も早かったです。
さらに保守性にも優れており、導入を進める側としても安心して展開できました。

サポート体制も充実しており、導入時には法令解釈に関する不明点をインフォセンスさんが警察へ直接確認してくださるなど、レスポンスが速く、的確な対応をしていただけた点も心強かったです。

今後は、標準搭載されている運転日報機能の活用にも力を入れ、さらなる業務効率化を進めていきたいと考えています。

casestudy_054.jpg運転前のアルコールチェック状況
(タブレット,アルコールチェッカー) 

Q:「安全運転」「アルコールチェック」の重要性についてどのよう考えていますか?

介護の一環として行う、
重要な業務のひとつと捉えています。

私たちが車を運転するのは、利用者様の生活を支えるためです。
安全運転は、施設内で介護を行うことと同じくらい重要であり、介護業務の一環としてアルコールチェックや交通ルールを遵守することが求められます。

万が一にも違反などで訪問ができなくなると、利用者様にご迷惑をおかけすることになります。
そのようなことは絶対にあってはならないと考えています。

安全運転への意識を高めるために、各事業所では研修を実施し、法人全体の取り組みとして年に1回、警察の方を招いた安全運転講習も行っています。
以前は「無事故事業所の表彰」も実施しており、今後はその制度の再開も検討しています。

また、システム導入によって法令をより意識するようになり、法令の解釈や関連情報を法人内で共有・発信する機会も増えました。
その結果、職員一人ひとりの理解度や意識も確実に向上しています。

今後も恵仁会は、介護業務と同じように安全運転とアルコールチェックを重視し、法令遵守を徹底する法人として地域の皆様にご理解いただけるよう努めてまいります。
そして、ご利用者様やご家族の皆様に、より安心してサービスをご利用いただけるよう取り組んでまいります。